【肩関節の基本】肩屈曲時の肩甲骨はどう動く?筋の作用と共に勉強しました!

底辺理学療法士のトリぞーです。

 

今回はいまいちよく分からないについて勉強したいと思います。

基本的な肩甲帯の勉強をして、後半に基本を活かして具体的な肩甲骨の動きや肩屈曲の勉強をしたいと思います。

 

肩甲帯

 

肩の運動には屈曲伸展内転外転内旋外旋水平内転水平外転があります。

これらの運動は上腕骨、肩甲骨、鎖骨、胸骨、肋骨の間に形成される各関節の複合運動によって構成されており、これらをまとめて肩甲帯と呼んでいます。

 

肩関節というと上腕と肩甲骨との関節である肩甲上腕関節、そして肩甲骨と胸郭からなる肩甲胸郭関節が頭に浮かびます。

しかし、といいますか、やはりといいますか肩甲骨と鎖骨からなる肩鎖関節、鎖骨と胸骨からなる胸鎖関節も大切になります。

 

 

肩甲上腕関節

肩甲上腕関節は肩甲帯の中でも主体となる関節です

この関節は上腕骨頭に対して、浅いソケットである肩甲骨の関節窩が適合した、多方面に大きな可動域を有しています。

なので肩甲上腕関節は軟部組織によって骨性の安定性の不足を補っています

 

 

肩甲胸郭関節

肩甲胸郭関節は肩甲骨と胸郭によって構成されている関節です

肩甲骨は付着する筋肉の作用によって自身の運動とともに、上腕骨の運動を円滑に行う際、肩甲骨の固定化作用も果たしています。

 

運動としては挙上下制内転外転上方回旋下方回旋前傾後傾があります。

 

 

肩鎖関節

肩鎖関節は鎖骨肩峰端と肩峰とで構成された関節です。

関節内には関節円板、関節周囲には肩鎖靭帯があります。

 

肩鎖関節には肩甲骨運動の中心軸としての機能が求められています

肩鎖関節を中心に上方・下方回旋前傾・後傾など。

 

 

胸鎖関節

胸鎖関節は鎖骨胸骨端と胸骨柄により構成される関節です。

関節内には関節円板、関節前方・後方にはそれぞれ前・後胸鎖靭帯、両鎖骨間を結ぶ鎖骨間靭帯、肋骨と結ぶ肋鎖靭帯があります。

胸鎖関節は鎖骨運動の中心軸として機能しています

 

鎖骨の可動域は矢状面において、挙上に45°下制が15°

前方・後方にそれぞれ15°

後方回旋が50°(前方回旋はほとんどしない)。

 

 

正常なアライメント

 

まずは何事も正常なアライメントを知る必要があります。

肩関節は主に肩甲骨に上腕骨がぶら下がっている感じなので、肩甲骨のアライメントを確認。

 

肩甲骨の正常な位置としては、第2〜7肋骨上にであり、胸郭上で平坦に位置しています

過度な前傾や後傾はありません。

 

肩甲骨は後ろ(前額面)からみると肩甲骨の内側縁は脊柱の棘突起と平行となります

また、左右の肩甲骨内側縁も平行です。

各肩甲骨内側縁と胸椎棘突起の距離は成人男性で約7cm

成人女性で5〜6cmとなります。

 

肩甲帯を上から見た場合、肩甲骨は前額面から前方に約35°傾斜しており、鎖骨は20°傾斜しています

上腕骨は骨董が肩峰内に位置して上腕骨近位と遠位がともに同じ垂直面上に位置しています。

上腕骨上面の大結節部は肩峰よりわずかに外側に位置しています。

 

 

肩甲骨に作用する筋

 

肩甲骨の動きには挙上・下制、外転・内転、上方回旋・下方回旋、前傾・後傾があります。

それぞれの運動方向の筋群が優位、あるいは短縮しており拮抗筋が延長位で筋力低下があると、優位な筋群へとアライメント不良が生じます。

 

 

挙上・下制

挙上の主な動筋は僧帽筋上部線維、肩甲挙筋、小菱形筋、大菱形筋となります。

下制の主な動筋は僧帽筋下部線維となります。

 

外転・内転

外転の主な動筋は小胸筋、前鋸筋となります。

内転の主な動筋は僧帽筋中部線維、大・小菱形筋となります。

 

上方回旋・下方回旋

上方回旋の主な動筋は僧帽筋上部・中部・下部が連動します。

下方回旋は大・小菱形筋、広背筋となります。

 

前傾・後傾

前傾の主な動筋は小胸筋。

後傾の主な動筋は僧帽筋、下部線維となります。

 

上腕に作用する筋

 

次に肩関節における上腕の動きは屈曲・伸展、外転・内転、外旋・内旋、水平屈曲・水平伸展があります。

 

屈曲・伸展

屈曲に作用する主な筋は三角筋前部、大胸筋鎖骨部、烏口腕筋、上腕二頭筋短頭。

伸展に作用する主な筋は三角筋後部、広背筋、大円筋、上腕三頭筋長頭となります。

 

外転・内転

外転に作用する主な筋は三角筋中部、棘上筋、上腕二頭筋長頭。

内転に作用する主な筋は大胸筋胸腹部、広背筋、大円筋、大胸筋鎖骨部、烏口腕筋、肩甲下筋、上腕二頭筋短頭、上腕三頭筋長頭となります。

 

外旋・内旋

外旋に作用する主な筋は棘下筋、小円筋、三角筋後部。

内旋に作用する主な筋は肩甲下筋、大円筋、三角筋前部、大胸筋鎖骨部・胸腹部、広背筋となります。

 

水平屈曲・水平伸展

水平屈曲に作用する主な筋は三角筋前部、大胸筋鎖骨部・胸腹部、烏口腕筋、肩甲下筋。

水平伸展に作用する主な筋は三角筋中部・後部、棘下筋、小円筋、広背筋、大円筋となります。

 

 

肩関節屈曲時の肩甲骨の動き

 

肩甲帯の動きや筋の基本を勉強してきましたが、実際に肩関節を屈曲するときの肩甲骨はもっと複雑な動きをします

肩関節屈曲では屈曲120°までは肩甲棘内側端が脊柱から離れ(外転)120°以降では脊柱に接近します

つまり、肩甲骨は上方回旋しながら一度、脊柱から離れた後に下方に下りながら再び脊柱に近づきます

矢状面での肩甲骨の動きは、屈曲初期では肩峰が前方に移動し、その後、上方に移動しながら後方へ移動し、最終的には後下方に移動します

 

その際、筋はどんな働きをしているのか。

肩関節屈曲を行う際は上方回旋するので、僧帽筋上部中部下部が働きます。

さらに上方回旋しながら外転するので、前鋸筋小胸筋が働きます。

 

屈曲120°以上になると、肩甲骨は内転方向に移動し、後傾していきます。

その際は僧帽筋中部大・小菱形筋が働きます。

また屈曲の際は肩甲骨には腕の重さで前傾モーメントが働きますが、これを制動するのが僧帽筋下部線維となります。

 

肩甲骨はこのように動き、筋を働かせながら、三角筋前部と大胸筋鎖骨部を働かせ腕をあげます

 

 

臨床での実際

所詮、底辺理学療法士の臨床なので悪しからず。

 

担当の利用者の右肩が左肩に比べて上がりませんでした

90°いきません。

まず肩甲骨のアライメントと見てみると、右肩甲骨の内側縁と棘突起が狭まっています

 

ということは、肩甲骨が内転しているので僧帽筋中部線維、大・小菱形筋の短縮があるってこと

肩を屈曲させる際は120°までは肩甲骨が外転するので僧帽筋中部大・小菱形筋を伸ばします。

すると、右肩が少し上がりました。

 

 

おわりに

後日また臨床に入ると肩甲骨内転のアライメントは改善されていました。

でも肩は前回より少しだけ上がるようになっただけ。

これじゃ利用者は満足しませんね。

 

今後は上方回旋に作用する僧帽筋上部・下部、前鋸筋が弱くなっていないか。

そもそも三角筋と大胸筋は弱くないかなどを見ていきたいと思います。

 

 

参考資料

姿勢の教科書

基礎運動学

肩関節拘縮の評価と運動療法

筋電図データから肩甲帯機能を考える

肩関節障害のスタンダードテクニック

健常者における肩関節屈曲および外転運動時の僧帽筋活動の比較