【認知症】基本情報を勉強!4つの型を大まかに説明します!

底辺理学療法士、トリぞーです。

 

介護老人保健施設へ異動して3日経ちました。

異動先の担当は認知症棟

認知症って毎日のように聞くワードですが、詳しく知らないんですよね

 

なので今回は認知症の基本情報について勉強したいと思います。

 

認知症とは

 

認知症とは脳疾患による症候群であり、通常は慢性あるいは進行性で、記憶思考見当識計算学習能力言語判断を含む多数の高次機能障害を示します

認知症の症状に意識障害はありません。

 

認知症患者の物忘れは、体験の一部ではなく、体験したことを全部すっかり忘れています。

物忘れに留まらず、計算ができなくなったり、時間や場所の見当が付かなくなったり(見当識障害)、少し複雑な状況になると正しい判断がつかなくなります。

 

認知症を主体として、病理学的には大脳の全般的な萎縮、組織学的には神経原線維変化の出現を特徴とする、神経変性疾患です

 

主な原因疾患として「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症(ピック病)」「脳血管性認知症」の4つの分類があります。

 

 

アルツハイマー型認知症

 

アルツハイマー型認知症は若年型や65歳未満の初老期発症型などのアルツハイマー病65歳以上の老年期発症型であるアルツハイマー型老年認知症と分けられます。

 

アルツハイマー型認知症の脳には大脳皮質や海馬を中心に、多数の老人斑神経原線維変化が見られます。

これらは通常の高齢者の脳にも見られますが、アルツハイマー型認知症の場合、比較にならないほどの多量の老人斑と神経原線維変化が出現し、脳の萎縮を引き起こします

 

→老人斑:一見シミのような異常構造物。

     神経細胞外にアミロイドβ蛋白が蓄積。

 

→神経原線維変化:神経細胞内に過剰にリン酸化されたタウ蛋白の蓄積。

 

症状としては物忘れ(記憶障害)物盗られ妄想見当識障害判断能力障害失行失認失語遂行機能障害などが見られます。

 

 

経過

脳の萎縮は徐々に進行し、記憶障害を主とした中核症状の進行に基づいて、行動・心理症状が出現します。

 

初期(1〜3年)

脳の変化としては海馬の萎縮が見られます。

症状としては新しいことが覚えられないなどの記憶障害

物の名前を思い出せない健忘失語が出現します。

その他には日付けの感覚が不確かになる見当識障害(時間)があります。

 

生活上の障害では物盗られ妄想や被害妄想の出現

自発性の低下、身なりや服装がだらしなくなったりします。

しかし、身辺の自立は可能です。

 

 

中期(2〜10年)

中期になると海馬だけでなく、側頭葉や頭頂葉の萎縮が見られます

この頃になると新しいことだけではなく、古い記憶も障害されていきます。

 

また、自分の家が認識できなくなる見当識障害(場所)が見られ、徘徊につながります

その他には失語や失認、失行、洋服の着方が分からなくなる着衣失行、錯語が見られる流暢性失語などの症状が発生します。

 

生活上の障害としては季節にあった服が選べなかったり、落ち込みがなくなり、多幸が見られたりします。

よってこの頃から生活において介助が必要となります。

 

 

後期(8〜12年)

後期になると前頭葉や後頭葉も萎縮し、大脳全般に高度な萎縮が見られます

 

この頃には記憶のほとんどを失い、意思の疎通が困難になります。

肉親でも誰か分からなくなる人の見当識障害が現れます。

 

生活上では尿便失禁異食が見られます。

身体にも変化が見られ、筋肉が固まったり、歩行障害、神経障害が出現し、最終的には無動・無言となり寝たきりになります

 

 

検査

頭部CT、MRIにて側頭葉内側面(主に海馬)を中心とする大脳皮質の萎縮、脳溝や脳室の拡大。

SPECTやPETでは頭頂葉や側頭葉の血流低下。

以上のことが当てはまり、認知機能の低下が緩徐かつ持続的に進行している場合はアルツハイマー型認知症の可能性があります。

 

 

治療

根本的な治療はまだ確立されていません。

しかし、神経変性性認知症の中で唯一、塩酸ドネペジルが保険適用の治療薬として認められています。

 

認知機能低下の改善として塩酸ドネペジルの使用

精神症状に対しては非定型抗精神病薬、漢方薬(抑肝散)が用いられます。

その他には運動療法や回想法、レクリエーション、音楽療法があります。

 

 

 

レビー小体型認知症

 

レビー小体型認知症とは、中年期以降に発症すると言われています。

症状は進行性で変動する認知機能障害、パーキンソン症状、自律神経症状、繰り返す幻視、レム睡眠行動障害、起立性低血圧が見られる神経変性性認知症の1つです。

 

認知障害では学習や記憶より、複雑性注意や実行機能の早期変化が見られます

その認知機能も数分〜数日など様々な間隔で変動し、過度の傾眠やせん妄に陥る場合もあります。

認知機能検査の結果も大きく変動します

 

レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症と比較して、運動障害や自律神経障害の結果、排便障害、運動緩慢、摂食の問題を引き起こします

よってレビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症より患者の生活の質(QOL)低下が早期に悪化します。

症状の経過は時々安定期があるという特徴がありますが、最終的には重篤な認知症を経て死へ進行します。

 

症状の発現は典型的には50〜80歳、平均生存期間は5〜7年です

ほとんどの場合、70歳代半ばごろで発症すると言われています。

 

レビー小体型認知症は65歳以上の高齢者の神経変性性認知症の中で10〜20%の割合であり、アルツハイマー型認知症についで2番目に多いとされています。

 

 

パーキンソン病とレビー小体型認知症

パーキンソン病では脳幹、主に中脳黒質に限局してレビー小体が見られます

しかし、レビー小体型認知症では大脳皮質など中枢神経系にレビー小体が出現します

パーキンソン患者が認知症を合併した場合(アルツハイマー型認知症)はレビー小体型認知症との区別が難しいとされています。

 

レビー小体型認知症で現れるパーキンソン症状では安静時振戦は目立たず、無動や筋強剛が主体となります。

 

幻視

認知機能の変動に連動して幻視が起こる傾向があります。

典型的には人、虫、小動物が多いとされます。

「知らない子供が部屋で遊んでいる」など具体的な幻視を繰り返します

 

検査

CTやMRIではアルツハイマー型認知症と同じく大脳の全般的な萎縮が見られます。

しかし、海馬の萎縮は軽度となります。

 

SPECT、PETにて後頭葉の血流低下が見られる場合、レビー小体型認知症を疑います

後頭葉には一次視覚野が存在することから、後頭葉の血流低下が幻視と深く関わっていると考えられています

また、視空間認知・構成能力の障害が強いため、時計描画検査(CDT)やMMSEの五角形模写、立方体模写で障害が明らかになることも多いです。

 

また補助診断としてMIBG心筋シンチグラフィでMIGの取り組み低下も判断材料となります。

 

 

治療

レビー小体型認知症の治療は対症療法が中心となります

抗精神病薬によりパーキンソン症状の悪化や意識障害などの可能性があるため、投薬の際は十分な注意が必要です。

 

認知機能障害に対しては塩酸ドネペジル。

幻視など精神症状に対しては同じく塩酸ドネペジルや漢方薬(抑肝散)、非定型抗精神病薬。

パーキンソン症状に対してはL-dopa(レボドパ)が使用されます。

 

 

前頭側頭型認知症(ピック病)

 

前頭側頭型認知症は進行すると前頭葉・側頭葉に限局した萎縮性病変を認める症候群です

特徴は人格変化行動異常があります、その代表的疾患にピック病があります。

 

また、側頭葉優位の変性を呈する意味性認知症と進行性非流暢性失語では失語症が見られます。

前頭側頭型認知症・意味性認知症・進行性非流暢性失語を合わせて前頭側頭葉変性症とも言います。

発症年齢は40〜60歳代

 

 

経過・症状

症状としては自発性の低下、感情鈍麻、脱抑制人格変化行動異常が見られます。

しかし、本人の病識は欠如しています

 

症状の進行は緩徐であり経過を初期・中期・後期に分けることができます。

全経過は平均で6〜8年。

 

 

初期

初期では自発性の経過、自発語の減少、感情鈍麻、偏食・過食、脱抑制などの人格変化・行動異常があります。

脱抑制の具体例としては物を盗むなどの反社会的行動、道徳観の低下があります

 

 

中期

中期になると以下の症状が見られます。

 

常同行動
(同じ場所を周遊したり、同じ椅子に座るなど)

考え無情
(質問をしても真剣に考えようとしない)

落ち着きのなさ

立ち去り行動

暴力行動

滞続言語
(会話中に同一の語句を入れる)

反復言語
(同じフレーズを繰り返す)

反響言語
(相手の言葉をオウム返し)

 

 

後期

後期になると精神機能の荒廃が高度となり、無言・寝たきりになります

 

 

検査

MRIやCTは前頭葉・側頭葉の萎縮をとらえるのに有用です。

比較的早期で脳の萎縮が目立たないタイプはSPECTやPET画像上の血流低下が診断上重要となります

 

 

脳血管性認知症

 

脳血管性認知症とは脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血によって生じる認知症です

全ての認知症の中でも20〜30%を占め、アルツハイマー型認知症の次に多いとされています。

 

脳卒中発作に伴い急激に発症したり、新しい梗塞が加わる度に段階的悪化を示したりします。

認知症状の他に障害部により局所神経症状を伴います。

症状として抑うつ自発性低下遂行機能障害夜間せん妄情動失禁(感情が不安定)、頻尿尿失禁などが見られます。

 

また脳血管性認知症は運動麻痺、感覚麻痺、偽性球麻痺(構音・嚥下障害)脳血管性パーキンソニズムにより小刻み歩行などの局所神経症状を伴います

 

 

原因部類

脳血管性認知症の原因は以下のタイプに分けられます。

 

1. 多発性梗塞型(皮質性)

 大・中血管の閉塞による多発性梗塞。

 

2. 小血管病変型
 多発性ラクナ梗塞・Binswanger病(ビンスワンガー)

 広範囲な小血管病変による梗塞・循環不全。
 脳血管性認知症の半数を占めます

 

3. 局在病変型

 海馬など認知に関わる重要な部位の単発梗塞。

 

4. その他

 低灌流性(低血圧など)や脳出血、クモ膜下出血。

 

いずれにしても、高血圧や糖尿病、脂質代謝異常、心房細動などの既往、喫煙が原因にもなります

 

 

まだら認知症

脳血管性認知症の場合、血管障害部位に対応した機能のみが低下します。

例えば「記銘力の障害は見られるが、日常的な判断力や専門に関する知識は保たれる」といった、まだら認知症が特徴的です。

 

また、物忘れの程度は一般的にアルツハイマー型認知症より軽度で、自覚があります。

さらに人格も末期まで保たれます

 

 

Binswanger病

Binswanger(ビンスワンガー)病とは進行性皮質下血管性脳症とも言われます。

高血圧や動脈硬化による大脳白質の慢性的な循環不全によって、大脳白質のびまん性で広範囲な脱髄が生じます。

これにより進行性で高度な認知症を呈する疾患です。

 

脳卒中既往は少なく、徐々に認知症が進行するため、アルツハイマー型認知症との鑑別が難しいとされています

 

 

検査

頭部CT・MRIにて梗塞や出血などの脳血管障害が見られます。

そして、認知症と脳血管障害の因果関係が見られると、脳血管性認知症を疑います

SPRCTなど機能画像では梗塞部位および周辺の血流減少所見が見られることが多いです。

 

 

治療

治療としては脳梗塞の再発予防として以下があります。

血圧のコントロール(降圧薬)

抗血小板療法

抗凝固療養

糖尿病治療

リハビリテーション

その他対症療法を行います。

 

おわりに

今回は認知症を手持ちの参考書で勉強しました。

この記事を基礎として、認知症に対する知識やリハビリ等を深めていきたいと思います。

 

 

参考資料

病気がみえるvol 7 脳・神経