【恥骨骨折】安静で治癒?リハビリの進め方と勉強しました!見逃される場合もあり!

整形外科

底辺理学療法士、トリぞーです。

 

この前職場で、入所者が転倒しました。

転倒した入所者は認知症が進行した方。転倒したことも覚えていませんでした

 

先輩PTが股関節を動かすと痛みの訴えがあり、先輩PT曰く、恥骨骨折かもとのこと。

恥骨骨折は初めてだったので勉強したいと思います。

 

恥骨

 

恥骨は寛骨の前下内側部を占めている骨です

恥骨は体と枝と区別することができます。

 

体は寛骨臼の前下部を作り、それから上枝が前内方に続きます。

上枝と腸骨体との境には腸恥隆起という高まりがあり、また内側端は恥骨結節となって肥厚しています。

下枝は上枝から鈎状に曲がり、結合部は坐骨枝に続いています。

 

坐骨と恥骨との間に囲まれた孔を閉鎖孔といい、自然体では結合組織性の閉鎖膜が張っています。

閉鎖膜の内側には内閉鎖筋、外側にが外閉鎖筋があります。

 

 

付着筋肉

 

恥骨には以下の筋肉が付着しています。

長内転筋

大内転筋

恥骨筋

薄筋

 

長内転筋

起始:恥骨結節の下方

停止:大腿骨粗線内側唇1/3

支配神経:閉鎖神経(L2・L3)

 

長内転筋は股関節を内転屈曲

また、長内転筋は屈曲60°を境に屈曲・伸展作用が逆転します

軽度外旋作用も持ちます。

 

 

大内転筋

大内転筋筋性部

起始:恥骨下枝 

停止:大腿骨粗線内側唇

支配神経:閉鎖神経(L2〜L4)

 

大内転筋腱性部

起始:坐骨枝、坐骨結節 

停止:内側上顆の上方の内転筋結節

支配神経:坐骨神経(L4・L5)

 

大内転筋は全体として股関節を強力に内転する

大内転筋の筋性部は股関節屈曲にも関与し、腱性部は股関節伸展に関与する。

大内転筋の腱性部は内側広筋の起始としての役割をもち、大内転筋の活動は内側広筋の収縮効率にも影響します

 

 

薄筋

起始:恥骨結合の外側

停止:脛骨粗面の内側

支配神経:閉鎖神経(L2・L3)

 

薄筋は股関節内転・屈曲に作用し、膝関節には屈曲として作用します。

また、縫工筋・半腱様筋とともに下腿の内旋に作用します。

薄筋は股関節内転筋群の中で唯一の二関節筋となります。

 

 

恥骨筋

起始:恥骨櫛

停止:大腿骨上部の恥骨筋線

支配神経:閉鎖神経(L2・L3)

 

恥骨筋は股関節の屈曲と内転に作用。

内転作用としては長内転筋より弱いです。また、軽度外旋作用を持ちます。

 

 

恥骨骨折

 

恥骨骨折の原因は圧迫された時の直達外力、または転倒した時の介達外力とがあります。

通常、単独骨折は大きな転移を起こさないと言われています

 

高齢者になると弱い力でも骨折する脆弱性骨折を生じる場合もあります。

しかし、合併症がなければ安静のみで治癒します

 

 

閉鎖神経

文献によっては恥骨を骨折すると閉鎖神経を損傷するとか、しないとか統一していません

もし閉鎖神経を損傷していると、大内転筋筋性部、恥骨筋などの股関節内転筋群の筋力低下があります。

しかし、大内転筋腱性部は坐骨神経なので、股関節内転が全く出来ないとも言えません。

また、閉鎖神経を損傷すると大腿遠位内側の感覚が低下します。

 

なので、股関節内転筋群の筋力低下、大腿遠位内側の感覚が低下すると閉鎖神経を総称している可能性があります

 

圧痛

症例報告を見てみると、恥骨骨折をした症例では長内転筋、恥骨筋に圧痛があったとの記載がありました。

症例報告なので、なんとも言えませんが受診が出来ない場合は長内転筋、恥骨筋などに圧痛があるかの確認することにします。

 

 

臼蓋のストレス

恥骨は股関節の臼蓋の前方1/5を構成しています

研究によると日常生活上での股関節接触面圧の変化について、歩行時は立脚後期で圧力が最大になるとの報告があります。

また、その圧は臼蓋の前方にかかるとのこと。

 

その他にも股関節軽度内転位から外転させても、臼蓋の前方に圧力がかかるとのことなので、恥骨骨折の場合は痛みが発生すると思われます。

 

 

安静期間

2つの症例報告を参考にしています。

1つの報告では受傷後3週で杖を使用して歩行訓練を開始しています

もう1つの報告では受傷後2週で1/3の荷重を許可、3週で1/2の荷重を許可。

受傷後4週で全荷重を許可されています。

 

単独での恥骨骨折は安静で完治するので、受傷後2週は安静にして、その後徐々に荷重をかけていきます。

 

おわりに

今回は恥骨骨折について勉強しました。

恥骨骨折は単独の骨折だと、安静にすると治癒するとのこともあるのか、あまり文献がありませんでした。

 

リハビリに関しては2つの症例報告を参考にしました。

受傷後2週間は安静、2週目から徐々に荷重をかけていく流れですね。

 

職場で転倒した入所者は受診の結果、骨折はないとの診断でした。

しかし、X線だけでは恥骨骨折は見逃される場合があるとのことなので、今後も疼痛の程度に応じて症例報告を参考にリハビリを行なっていきます。

 

 

参考書・文献

人体解剖学

標準整形外科学

標準理学療法学・作業療法学 解剖学

機能解剖学的触診時術

転倒による左恥骨骨折を呈した症例〜歩行に着目して〜

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